日本では幕末の動乱期だった1861年、ヨーロッパではイタリア王国が誕生しました。
約1400年ぶりのイタリア半島統一を主導したサヴォイア王家が、本拠地である北部ピエモンテ州トリノを首都と定めて建国を宣言したのです。

それからまもない1890年、イタリアで最も早く産業の近代化が進むトリノから程近い、アスティ県カステルヌオーヴォ・ドン・ボスコの町で蒸留所は設立されました。

古くからの伝統的なワインの名産地であるこの肥沃な丘陵地は、豊かな自然と美食で知られ、様々な野草や果実などをリキュールにするには恵まれた文化的土壌がありました。

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終戦直後の初代ジュゼッペ・クアリャ。米軍が乗り捨てたジープの車台を運搬用に利用した。


 

クアリャ家の歴史は、初代ジュゼッペが1902年にこの蒸留所を買い取ったところから始まります。井戸を掘って水源を確保し、蒸留器を設置するなど、大規模な設備投資を行いました。

1930年、蒸留所の秘伝は息子の2代目カルロに受け継がれます。彼は瓶詰め工程を現代的に改良して、大幅に生産量を拡大します。この時には従業員も35人まで増えました。

1967年、孫の3代目ジュゼッペが引き継ぎます。伝統的なグラッパの他に、単一ブドウ品種の高級グラッパの生産も始めます。

そして現在、ひ孫の4代目カルロが新たな創造力と情熱をもって、良質の天然素材を使ったピエモンテ伝統の調合・蒸留技術の粋を集め、バリエーション豊かに数多くのリキュール生産を手がけています。

蒸留所は4世代に渡って100年以上、常に最高のクオリティを人々に届け、絶え間なく進化を続けてきたのです。

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4代目カルロ・クアリャは伝統と革新を融合。単式蒸留器では引き出しづらい花やハーブなどのデリケートなアロマは、低温真空状態で最大限に抽出する。


 

4代目カルロ・クアリャのロングインタビュー【日本語字幕】